新型コロナウイルスの流行についての考えとお願い

以前私は、HP上のブログで、「感染症から身を守るために」という記事を書きました。新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)は、国内ではまだ収束は一向に見えません。今回、受付に透明ビニールの幕を張らせていただいたことで、改めて考えをお伝えします。

ウイルスが感染する経路は大別して、飛沫(ひまつ)感染と接触感染とがあります。

飛沫感染とは、咳やくしゃみのしぶき(液体です)をあびて、そのなかにいるウイルスが、口、鼻、眼の粘膜に感染する場合です。もし感染した方が向かい合った者に咳をすると、相手にも感染させる可能性がないとはいえません。最近コンビニやスーパーのレジに、壁のようなビニール幕がつけられています。飛沫感染を心配する店員さんの声があがったからでしょうが、ある感染症内科の先生が評価されていました。最近は来院される皆さんがほとんど、マスクをして来てくださっています。皆さんが健康に留意されていることを、私は信頼しています。ただ今回、当院でも幕を張ることにしました。職員が咳をすることだってないとはいえません。存じ上げている先生方にもこうした対処をされる方々が出てきたこともあります。ただ、もし室内にウイルスが浮遊していれば、そしてそれが感染する、いわゆるエアロゾル感染があれば、全く意味はありません。実際、乾燥した空気中にコロナウイルスは3時間ほど生存するとのことです。しかし現時点で、エアロゾル感染の可能性は低いとされています。それでも換気扇はずっとつけています。

幕は、私に壁を思い出させます。人と人との関わりを妨げるものとしてのものです。有名な話では「ベルリンの壁」がありました。また作家の村上春樹は、「壁と卵」というスピーチをしました。こうした幕が、お互いを隔てる壁になってはいけないと考えます。そして遠からず、この幕をはずせる時が来ることを願っています。

なお、3月から私も診察室で不織布マスクをしています。もともと病院では1回の手術、処置で使い捨てされていました。しかし供給が途切れ、最近は大病院では1週間に1枚しか支給されないこともあります。患者さんに接する時間が一番長い私も、1日で捨てることはできません。しかし診察室内で幕を張ることはできないし、するつもりはありません。そしてマスク表面を一番汚すのは、実は手あかやほこりです。そのためマスク表面をペーパータオルで巻いて、半日で捨てています。事情をご理解いただければ幸いです。

次に、接触感染についてです。病原体がついたものを触ったその手で顔に触り、主に口から感染することです。細菌でよくありますがウイルスでも起こります。お互いの手と手が触れ合うこともいいとはいえません。そのため、診察時にお金をいただくとき、お釣りを入れるお皿(カルトンといいます)に入れていただくようお願いいたします。私たちもお釣りをそうしてお返しします。気まずい思いをされるなら、おわびいたします。それでも手を清潔にすることは大事です。受付でアルコール除菌をお願いしていますが、玄関前のトイレで、手を洗っていただいて入ってきていただければ幸いです。ただ、たとえば漢方薬を最初に処方するときに行っていた、脈をとり、舌を拝見することが難しくなりました。

最後に、状態が落ち着いて希望される方には、通院間隔を伸ばしていただいています。自宅待機が求められていることもありますが、待合の患者さんの数を少しでも減らし、お待ちいただく時間を短縮するためでもあります。それでも来院するまでが心配だという方には、同じお薬であれば、お電話で症状をお聞きし、処方箋を送ることもしています。ただ、次回は来院していただき、お代のお支払いをお願いしています。

以上、簡単ですが私の考えを書きました。一緒にこの困難な時期を乗り切りましょう。